3大クラウドインフラの、Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform(GCP)、Microsoft Azure(Azure)のインターネット下りの転送料金とインスタンスの料金を比較しました。
OSはLinux、リージョンは日本または東日本を選択して計算しました。
転送料金
AWSは最初の1GBが無料、Azureは最初の5GBが無料です。GB単価だけを見てもわかりにくいので、10TB使用時、40TB使用時の料金を計算しました。
10TBと言われてもピンと来ないよ?
DAUが2万人なら、1人1日の転送量を20Mバイトとして、2万DAU × 30日× 20M = 12TB になるわね。
転送料金は、AzureとAWSがほぼ同じです。GCPは、10TB使用時で約2割増し、40TB使用時では約3割増しで高いです。(GCPは後述のインスタンスが安いです。)
転送量の一部をCloudflare(定額プランのCDN)などから配信できるなら、転送料金を大幅に減らすことができます。
10TB使用時(ドル) | 40TB使用時(ドル) | |
---|---|---|
AWS | 1139.9 | 3809.9 |
GCP | 1400.0 | 5000.0 |
Azure | 1199.4 | 3749.4 |
インスタンス料金
バーストタイプからvCPU数、メモリ量の近いインスタンスを選んで、時間単価を比較しました。
タイプ | vCPU | メモリ GiB | ドル/時 | |
---|---|---|---|---|
AWS | t3.small | 2 | 2 | 0.0272 |
GCP | e2-small | 2 | 2 | 0.02149 |
Azure | B1MS | 1 | 2 | 0.0272 |
次に、1ヶ月730時間として、1ヶ月分を計算して比較しました。
AWSにはリザーブドインスタンスという予約割引があります。スタンダード1年全額前払い、スタンダード3年全額前払いとしました。
GCPは1ヶ月以上利用すると、継続利用割引が自動適用されます。時間単価 × 730 よりだいぶ安くなります。
Azureには1年予約割引、3年予約割引があります。
タイプ | 1ヶ月あたり (ドル) | 1年予約 1ヶ月あたり (ドル) | 3年予約 1ヶ月あたり (ドル) | |
---|---|---|---|---|
AWS | t3.small | 19.856 | 11.68 | 7.3 |
GCP | e2-small | 15.69 | ||
Azure | B1MS | 19.856 | 11.5851 | 7.452 |
このグラフをどう読めばいいのかな?
オンプレミスの社内システムをクラウドへ移行するなら、AWSかAzureがいいと思います。例えば、最初の半年〜1年は従量制で、CPU負荷を見ます。インスタンスタイプが決まったら、1年予約や3年予約をして安くします。
スタートアップや新しいサービスの開発は、料金で選ぶよりも、開発メンバーが使い慣れたクラウドを選ぶといいと思います。
ボトルネックになりやすい
データベースインスタンスも
知りたいわね
AWSのリザーブドインスタンス
1年予約や3年予約がお得ね、でも落とし穴はないの?
予約の自動更新
AWSには自動更新のチェックボックスはありません。うっかりすると、予約期間が終わって1ヶ月後の請求明細を見るまで気づかないことがあります。
次の手順で、切れ目なく予約を購入することはできます。
予約期間の途中で、インスタンスを停止する場合
AWSの「全額前払い」で1年予約を購入したとします。1年間は、インスタンス1台は起動していても、停止していても、0円です。
「1年間のインスタンス利用料金」を「全額前払い」したので、割り引いてくれたんですね。
AWSの「一部前払い」で1年予約を購入したとします。6ヶ月後にインスタンスを停止しました。残り6ヶ月間は、インスタンスを起動していなくても、インスタンス利用料金が請求されます。
「1年間のインスタンス利用料金」を「一部前払い」して、残りを「月払い」しているんですね。
AWSの「前払いなし」にも同じことが言えます。
予約期間の途中で、インスタンスファミリー、OS、リージョンを変更する場合
AWS予約 | アベイラビリティ ゾーン | インスタンス タイプ | インスタンス ファミリー | OS | リージョン |
---|---|---|---|---|---|
スタンダード | 可 | 可 | 不可 | 不可 | 不可 |
コンバーティブル | 可 | 可 | 可 | 可 | 不可 |
AWSのスタンダード予約は、インスタンスファミリーやOS、リージョンを変更できません。
AWSのコンバーティブル予約は、インスタンスファミリーやOSを変更できます。リージョンの変更はできません。スタンダード予約よりコンバーチブル予約のほうが柔軟性がある分、コンバーティブル予約のほうが割引きは少ないです。
予約に残り期間があるけど使っていない場合、AWSは、予約の残り期間をマーケットプレイスで販売することができます。
各サービスの料金表
Google Compute Engineの料金#共有コアマシンタイプ
Google Compute Engineの料金#インターネット下り料金
Amazon EC2 料金表
ページ中段に、Amazon EC2 からのデータ転送送信 (アウト)
Amazon EC2 リザーブドインスタンス料金表
Microsoft Azure>Linux Virtual Machinesの料金
Microsoft Azure>帯域幅の料金詳細