リモートワークの環境改善と時間管理

会社のオフィスでも、自宅作業でも、静かで落ち着いた環境で仕事をしたいものです。会社のオフィス環境の改善は難しかったかもしれませんが、自宅の作業環境の改善はできるはず。家族の理解と協力をえて、自宅の作業環境を改善しましょう。

仕事専用スペースとデスクを用意する

仕事時間中に家族も在宅しているなら、可能な範囲で仕事専用のスペースを確保しましょう。家にいるんだからと、お互いに気軽に用事を頼んだり、話しかけたりします。仲がいいとはいえ、仕事に集中できなくなってしまいます。

仕事専用のスペースを確保できない場合は、もし用事を頼まれても、「今は仕事中だから後にしてほしい」といったん断ることがあるかも、その代わり、後で必ず話しを聞くから、と話し合っておいてください。

「今は仕事中」というカードも悪くないアイデアです。

デスクは、幅は100cm以上の事務用デスクをおすすめします。

左右の引き出しはないほうがいいです。引き出しがあると、不要なペンや書類などをため込んでしまいがちです。

また、後述する外部ディスプレイ用のモニターアームを固定できるような頑丈なものがいいでしょう。

椅子も、事務用の椅子をおすすめします。キャスターつき、ひじかけなし。大きすぎないものがいいです。

ゴミ箱は不要です。部屋が狭くなりますし、結局、回収用のゴミ袋に移さなければなりません。捨てるものはポケットに入れたり床においておき、休憩時間に台所のゴミ箱に捨てにいきましょう。

シュレッダーは必要です。2ミリ×4ミリ以下のマイクロカットタイプをおすすめします。印刷された文字は小さい字が多く、カットされた紙片が大きいと、文字が読めてしまうんですね。

筆者は、ハガキや宅急便の宛名欄、印刷した資料、手書きのスケッチなど、ほぼ全ての紙類をシュレッダーにかけています。

大きな外部ディスプレイを使う

仕事の内容にもよりますが、ノートパソコンの小さい画面は、使いにくいです。一つのデスクトップに多くのウィンドウを表示できないので、仮想デスクトップをいったりきたりしなければなりません。

会社では、20〜27インチの外部ディスプレイを使っている場合も多いようです。

自宅でも、大きな外部ディスプレイを用意しましょう。会社負担で買えればいいのですが、自腹だとしても買ったほうがいいです。

できるだけ大きいほうがいいです。27インチの2560x1440が3万円前後、41インチの4K(3840x2160)が5万円前後です。

できれば、ディスプレイ背面にVESA規格の取り付け穴があいているものがいいです。

VESA規格の穴を何に使うかというと、モニターアームです。クイックリリースとデスク取付部の補強板もあったほうがいいです。

モニターアームのメリットは、(1)地震対策(2)微妙な位置調整(3)ディスプレイの下に足がないのでデスクを広く使えることでしょう。

今月のWEB+DB PRESS vol 118のリモートワーク特集に、GMOペパボの取り組みが紹介されていました。GMOペパボでは、会社で使っていたデスクや外部ディスプレイを自宅に貸与しているそうです。

ひげをそる

家族がいる場合は、身だしなみに気をつけましょう。

朝、顔を洗い、歯をみがき、ひげをそります。

爪を切り、鼻毛を抜きます。

楽な服装でいいと思いますが、洗濯をして清潔な服を着ましょう。

坊主マンに言われたくないわよね〜

毎日、同じ時間帯に仕事をする

残念かもしれませんが、会社に出勤していたときと同じにしたほうがいいです。

毎日、同じ時間帯に仕事をする、と決めて、習慣にしたほうが、仕事の時間を確保できます。

例えば9時〜12時、13時〜18時と決めて、毎日同じ生活リズムで仕事をしたほうが、仕事の時間も確保できるし、プライベートの時間も確保しやすいと思います。

家族がいる場合は、夕食の後は一緒に過ごしたい、つまり仕事の終わりの時間は決まってしまいます。朝から仕事をはじめても、昼から仕事をはじめても、遅くても19時は仕事の終わりなんですね。

毎日の仕事スタートの時間がばらばらで、終わりが19時固定の場合、仕事時間の「長さ」がばらばらになってしまいます。昼食は12〜13時としました。

曜日午前午後長さ
10 〜1213 〜 198
なし13 〜 196
8 〜 1213 〜 1910
9 〜 1213 〜 199
11 〜 1213 〜 197
合計40

この例では、なんとか週40時間仕事をしました。この生活リズムの人は、実際には、水曜日の朝8時スタートは難しいことが多いのではないでしょうか。

もう一つの例です。毎日の仕事スタートの時間がばらばらで、長さを8時間固定にすると、終わりの時間がばらばらになってしまいます。昼食は12〜13時、夕食は19〜20時としました。

曜日午前午後長さ
10 〜1213 〜 198
なし13 〜 1920〜228
8 〜 1213 〜 178
9 〜 1213 〜 188
11 〜 1213 〜 1920〜218
合計40

こちらの例でも、なんとか週40時間仕事をしました。しかし、火曜、金曜の夕食後の仕事時間は、強い意志が必要です。つい、まあいいかなと、家族とすごしたり、スマホを触ってしまいます。

誰にも、無意識のうちに生活リズムとしての、仕事のコアタイムがあるのかもしれません。コアタイムの前から仕事をするのは難しい、コアタイムの後に延長するのも難しいのかなと、ふと思いました。

だから、その「無意識の仕事のコアタイム」に合わせて、毎日同じ生活リズムで仕事をしたほうが、仕事の時間も確保できるし、プライベートの時間も確保しやすいと思います。

もちろん、せっかくの在宅作業なので、ちょっとした用事をすませに外出することはありですよ。

KanbanFlowを使って、ポモドーロを実践する

さて、仕事時間の過ごし方です。

筆者はこれまで、ゾーン(集中モード)で仕事をすることが効率をあげることだと思ってきました。

これは間違っていないのですが、毎日ゾーンに入れるともかぎりません。

特に、長時間労働が毎日続くような炎上プロジェクトの後は、なかなか集中モードに入れません。これは燃え尽き症候群ですね。

ジョンメンソズ著「SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル」の中で、集中モードへの入り方と維持の仕方を紹介していました。ポモドーロテクニックです。

25分間タスクにとりかかる。5分休憩をとる。
これを1ポモドーロとする。
4ポモドーロごとに15分休憩をとる。

SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル 38章 ポモドーロテクニック

平均的な労働時間は8時間であり、理論的には16ポモドーロできるはずだ。
実際には、12時間仕事をしても、1日16ポモドーロこなすのは難しい。
初めてポモドーロテクニックを使ったときは、1日に6ポモドーロをこなすことさえ難しいと思った。

SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル 38章 ポモドーロテクニック

なお、この本の著者も、ポモドーロテクニックも1日8時間をこえて仕事をすることをすすめていません。

「1日に6ポモドーロも難しい」は大げさではありません。筆者がポモドーロテクニックを使うようになって、1日8時間のうち仕事をしていたのは、いかに少ないか驚きました。

5分の休憩、あっという間だよね。ストレッチして、飲み物を飲んで、お手洗いをすませると、もう10分だよ。気をとられて、ぼーっとしていると15分だもの。

25分もあっという間よ。Slackで少し詳しめに返信しているだけで25分よ。

さて、最近、もう一つ、気づいたことがあります。

25分ごとの休憩が重要なことです。

最初のうちは、25分たっても休憩をとらないことが多かったです。25分はあっという間です。何もしていないのに25分すぎることもありました。今はのっているからと休憩しないこともありました。きりが悪いからと続けているうちに、2時間たってしまうこともありました。

最近は、25分すぎたら、きりがいいとか悪いとかは関係なく、休憩をとるようにしています。まず、足、腰、肩、脇、首のストレッチをします。次に、目のストレッチとして、上下左右をぐるぐる見て、最後に遠いところと近いところを交互に見ます。

なぜ、きちんと休憩をとるようになったかというと、きっかけを覚えています。

あるとき、このデスクワークは、スポーツ選手に例えるなら、試合なのか、練習なのかと考えていました。

新しいプログラミング言語を学習しているなら、スポーツ選手の練習。プロジェクトの実装をしているなら、スポーツ選手の試合。

スポーツ選手の場合、休憩しながら練習しますし、試合にも休憩時間があります。

マラソン選手は走りっぱなしですが、「定期的に」水分をとります。

ここにいたって、ようやく気づきました。デスクワークは座っての作業ですから、体力の消耗は少ない。しかし、ずっと考えっぱなしの頭には定期的な休憩が必要なんですね。

25分ごとに休憩をとることで、1日8時間にわたって集中モードを維持し、これを毎日続けることができるわけです。

筆者は、本の著者が開発している https://kanbanflow.com を使っています。ポモドーロテクニックもカンバンもあまり厳密に考えずに試してみるといいと思います。

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